黄色背景部分が前年シーズンからの変更
目次
技術点(Technical Element Score)とは?
技術点(Technical Element Score:テクニカル エレメンツ スコア)とは、基礎点(Base Value:ベースバリュー)とGOE(Grade of Execution:出来栄え点)の合計点になります。フィギュアスケートのプログラムの中で行われる各要素(エレメンツ)1つ1つに与えられます。
要素(エレメンツ)に技術点は与えられる
技術点は、フィギュアスケートのプログラムの中で行われる各要素(エレメンツ)1つ1つに与えられます。
要素(エレメンツ)は、フィギュアスケートの競技会の場合、ISUによる規定された技のことです。1つのジャンプ、1つのスピン、1つのステップ、これらそれぞれが1つのエレメンツとなります。
技術点=基礎点+GOE
各要素(エレメンツ)には、その内容と難易度により基礎点(Base Value:ベースバリュー)が設けられています。さらに、その各要素(エレメンツ)の出来栄えを「-3から+3」までの7段階で判定します。それをGOE(Grade of Execution:出来栄え点)といいます。つまり、技術点は基礎点とGOEの2つのポイントの合計となります。
技術点は加算方式なので上限はありません。難易度を上げれば基礎点が上がります。要素(エレメンツ)の組み合わせ次第では、基礎点の上限というのは存在しないわけです。
技術点(テクニカル エレメンツ) Technical Element Score(TES) | ||
基礎点(Base Value:ベースバリュー) | ||
+ | ||
GOE(Grade of Execution:出来栄え点) | ||
要素(エレメンツ)
各要素(エレメンツ)は大きく3つの種類があります。
①回転数と種類によって評価されるジャンプ要素
ジャンプ要素は、ジャンプの回転数とジャンプの種類によって評価される要素(エレメンツ)です。
ジャンプの回転数
フィギュアスケートのジャンプの回転数とは、跳びあがってから何回転体をひねるかをさします。回り始めから360°戻ってきて1回転になります。3/4回転以上で着氷した場合はその回転数の基礎点が認められますが、3/4回転に満たない回転数の場合は回転不足として基礎点が減点されてしまいます。
回転数が1回転未満の場合は、基礎点は0点となってしまいます。
現在認められているジャンプの回転数を、下記にまとめました。
略記号 | 回転数の英語名称 | 回転数の日本語名称 |
---|---|---|
1 | single シングル | 1回転 |
2 | double ダブル | 2回転 |
3 | triple トリプル | 3回転 |
4 | quadruple クアドロプル | 4回転 |
ジャンプの種類
ジャンプの種類とは、ISUの定める試合で認められている6種類のジャンプがになります。下記に6種類のジャンプをまとめました。
略記号 | ジャンプの名称 | 難度(同じ回転数の場合) |
---|---|---|
T | トウループ | 低難度 ・ ・ ・ ・ ・ 高難度 |
S | サルコウ | |
Lo | ループ | |
F | フリップ | |
Lz | ルッツ | |
A | アクセル |
②要素(エレメンツ)にレベルが設けられているスピンやステップ要素
スピンやステップの要素(エレメンツ)は、要素(エレメンツ)への入り方や姿勢などによりレベル分けされています。レベルは5段階に分けられております。2011年シーズンまでは4段階、2004年シーズンまでは3段階のレベル判定となっていました。
③基礎点は同じでGOEでの評価のみ行われるコレオグラフィックシークェンス
男女シングルやペアで行われるコレオグラフィックシークェンス、アイスダンスで行われるコレオダンスリフトなどは、基礎点は同じでGOEでの評価のみ行われる要素(エレメンツ)になります。
コレオシークエンスとは、2012年シーズンから始まった要素(エレメンツ)です。ステップシークエンスとは違い、レベルの判定は無く全て同じ基礎点が与えられる要素(エレメンツ)です。ISUでは下記のように明記されています。
- ステップ、ターン、スパイラル、アラベスク、スプレッド・イーグル、イナ・バウアー、ハイドロブレーディング、最大2回転までのあらゆるジャンプ、スピンなどあらゆる種類の動作から構成される。
- コレオグラフィック・シークェンスに含まれるリストにある要素はコールされずボックスを占めない。
- パターンは制限されないが、シークェンスがはっきりと分かるものでなければならない。
- テクニカル・パネルは、コレオグラフィック・シークェンスが最初のスケーティング動作で始まり(そのコレオグラフィック・シークェンスがプログラムの最後の要素でない場合)次の要素の準備により終了したと判断する。
- コレオグラフィック・シークェンスは、ステップ・シークェンスの前後いずれに行ってもよい。
- この要素には固定された基礎値があり、ジャッジのGOEのみで評価される。
基礎点(Base Value:ベースバリュー)
基礎点は、フィギュアスケートの競技会で行われた各要素(エレメンツ)1つ1つに与えられる、その内容・難易度を評価して付ける技の基礎になる得点です。
実際の基礎点は、下記より確認してください。
基礎点0点(No Value:ノーバリュー)
違反があり基礎点が0点と判断された各要素(エレメンツ)は、基礎点0点(No Value:ノーバリュー)と呼ばれます。
GOE(Grade of Execution:出来栄え点)
GOE(Grade of Execution:出来栄え点)とは、「-5から++5」までの11段階で評価する、各要素(エレメンツ)の出来栄え点です。評価の基準は、各要素(エレメンツ)によって決められています。例えばジャンプであれば、転倒は「-3」です。ただし、これがそのまま足し引きされるわけではありません。1回転と4回転のトウループ、2つの転倒の場合の違いはこうなります。
基礎点 | GOE:転倒「-5」 | |
---|---|---|
1回転のトウループ(1T)の場合 | 0.40点 | -0.20点 |
4回転のトウループ(4T)の場合 | 9.50点 | -4.75点 |
GOE(Grade of Execution:出来栄え点)に関わる特記事項
2019年シーズンよりGOE(Grade of Execution:出来栄え点)に関する特記事項が付け加えられました。
下記のエラーがあった場合、評価のスタートとなるGOE(Grade of Execution:出来栄え点)は+2を上限とされます。
- 転倒
- 両足着氷
- 着氷時のステップアウト
- 正しくないエッジ
- ダウングレード判定(<<)
- 音楽に合わないステップ・シークェンスやコレオグラフィック・シークェンス