黄色背景部分が前年シーズンからの変更
スピンの基本ルール概要
フィギュアスケートのスピンには、下記のような基本ルール概要があります。
回 転 |
1 |
2回転の基本姿勢を伴わないスピンはレベルがなく無価値であるが、3回転に満たないスピンはスピンではなくスケーティング動作とみなされる。 |
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2 |
1つの姿勢で必要な最少回転数は途切れない2回転である。この要求が満たされない場合、その姿勢は数えられない。頭、両腕またはフリー・レッグの位置の変化、回転速度の変動は許される。 |
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姿 勢 |
1 |
3つの基本姿勢がある。 |
2 |
基本姿勢以外のすべての姿勢は非基本姿勢である。 |
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3 |
レイバック・スピンとは、頭部および両肩部が後ろに傾き背が弓形のアップライト・スピンである。フリー・レッグの位置は自由である。 |
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4 |
サイドウェイズ・リーニング・スピンとは、頭部および両肩部が横に傾き上体が弓形のアップライト・スピンである。フリー・レッグの位置は自由である。 |
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ル | ル |
1 |
いかなるスピンにおいても、エッジの変更は基本姿勢の中で行われた場合にのみ数えられる。 |
2 |
いかなるスピンにおける足換えにも、足換え前後にスピン姿勢が少なくとも3回転なければならない。この要求を満たさなければ、そのスピンはフリー・スケーティングでは“V“の記号が付きショート・プログラムでは“無価値”となる。 |
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3 |
スケーターがスピンの入りで転倒した場合、転倒直後のスピンまたは回転動作は(時間を埋める目的で)許されるが、このスピン/動作は要素としては数えられない。 |
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4 |
(足換えの前後の)回転軸が離れすぎ、“2つのスピン”の基準(第1部分の後に出(エグジット)のカーブがあり、第2部分への入り(エントリー)のカーブもある)が満たされる場合、足換え前の部分のみがコールされレベル特徴についての考慮がされる。 |
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スピン・コンビネーション |
最低でも2つの異なる基本姿勢を含まなければならず、スピン中のいずれでもよいが、これらの姿勢はそれぞれ2回転ずつなければならない。非基本姿勢の回転数は総回転数に数えられる。非基本姿勢への姿勢の変更は、姿勢の変更とはみなされない。足換えは踏み換えまたはジャンプの形で行ってよい。足換えや姿勢の変更を行うのは同時または別々のいずれでもよい。 |
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単一姿勢のスピンとフライング・スピン※ | 1 |
非基本姿勢は許され、規定で要求されている総回転数に数えられるが、(この姿勢では)レベル特徴は獲得できない。 |
2 |
単一姿勢のスピンとフライング・スピンでは、スピンを終了する際のアップライト姿勢は、スケーターが難度や美しさ等を高めることなくただ単にファイナル・ワインドアップを行っているだけの場合に限り、回転数にかかわらず別姿勢とはみなされない。 |
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3 |
スピンがジャンプで開始されるときには、踏み切り前の氷上での回転は許されず、ステップ・オーバー(宙に浮かないでまたいでいる状態)は、テクニカル・パネルにより基礎値において考慮がされなければならず、ジャッジによってGOEで考慮がされなければならない。 |
※このフライング・スピンとは、足換えや姿勢変更のない、フライング・エントランスのスピンを意味する。
ショートプログラム特有のルール
フィギュアスケートの男女シングルショートプログラムでは、3つのスピンが必須要素とされています。
ショートプログラムの必須要素に関するルール
1 | フライング・スピン |
単一姿勢のスピンとは異なる着氷姿勢のフライング・スピン |
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2 | 単一姿勢のスピン |
【男子】 1回のみの足換えありの(フライング・スピンの着氷姿勢とは異なる姿勢の)キャメル・スピンまたはシット・スピン |
【女子】 レイバック・スピン/サイドウェイズ・リーニング・スピンまたは足換えなしのシット/キャメル・スピン;(フライング・スピンの着氷姿勢とは異なる姿勢) |
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3 | スピン・コンビネーション |
1回のみの足換えありのスピン・コンビネーション |
また、この3つのスピンに関するルール概要が下記になります。
回転 |
スピンは要求される最少回転数を回らなければならない。 フライング・スピン、レイバック・スピンおよび足換えなしのシット/キャメル・スピンでは8回転、足換えありのスピンおよびスピン・コンビネーションでは各足6回転であり、この回転数に不足する場合はジャッジにより採点に反映されなければならない。 |
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足変え |
スピン・コンビネーションでは足換えが要求される。 |
入り方 |
フライング・スピンを除いて、スピンはジャンプで開始してはならない。 |
ショートプログラム特有の要素
【女子】 レイバック・スピン/サイドウェイズ・リーニング・スピン |
8回転の間アップライト姿勢に起き上がることなく基本のレイバック姿勢またはサイドウェイズ・リーニング姿勢が保たれている限り、どのような姿勢でもよい。 「ビールマン・スピン」の姿勢は、レイバック姿勢(バックワードおよび/またはサイドウェイズ)で要求された8回転をうまく回り切った後にのみ、レベルを上げる特徴とみなされる。 この「ビールマン・スピン」の中で、スケーターがエッジの変更や明らかな速度の増加および/またはいかなる変更もなく8回転を行った場合、追加的なレベル特徴は獲得できる。 |
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【男子】 足換えありの単一姿勢のスピン |
スピンは要求される最少回転数を回らなければならない。 フライング・スピン、レイバック・スピンおよび足換えなしのシット/キャメル・スピンでは8回転、足換えありのスピンおよびスピン・コンビネーションでは各足6回転であり、この回転数に不足する場合はジャッジにより採点に反映されなければならない。 |
足換えありのスピン・コンビネーション |
スピン・コンビネーションは、スピン中のどこであってもよいが少なくとも2つの異なる基本姿勢を含まなければならず、そのいずれの姿勢でも2 回転が必要である。最大価値を獲得するためには、スピン・コンビネーションは3 つの基本姿勢をすべて含まなければならない。非基本姿勢の回転数は総回転数に数えられる 非基本姿勢への姿勢の変更は、姿勢の変更とはみなされない。1 回のみの足換えを含まなければならずそれぞれの足で6 回転以上必要である。足換えは踏み換えで行ってもジャンプで行ってもよい。足換えと姿勢変更は同時に行っても別々に行ってもよい。 |
フライング・スピン |
フライング・スピンの名称は、そのスピンの着氷姿勢に対応する。単一姿勢のスピンとは異なる着氷姿勢のあらゆるタイプのフライング・スピンが許される。ステップ・オーバー(宙に浮かないでまたいでいる状態)は、ジャッジによってGOE で考慮がされなければならない。空中姿勢は着氷姿勢と異なってもよいが、着氷姿勢で最低8 回転しなければならない。踏み切り前に氷上で回転することは許されない。要求される8 回転は、着氷姿勢のどのようなバリエーションで行ってもよい。 |
フライング・スピンと単一姿勢のスピン |
フライング・スピンの着氷姿勢が単一姿勢のスピンと同じ姿勢の場合、これら2つのスピンのうち後に行われたものはカウントされないが、スピン・ボックスを占める。 |
フリースケーティング特有のルール
フィギュアスケートの男女シングルフリースケーティングでは、3つのスピンが必須要素とされています。
フリースケーティングのスピン要素 |
バランスのとれたフリー・スケーティング・プログラムは最大3つのスピンを含まなければならない。そのうち1つはスピン・コンビネーション、1つはフライング・スピンまたはフライング・エントランスのスピン、1つは単一姿勢のスピン。 すべてのスピンは、異なる性質のものでなければならない。いかなるスピンも、それ以前に行われたスピンと同じ性質(略記号)のものであれば、カウントされない(が、1つのスピン・ボックスを占める)。 行われたスピンの中にフライング・エントランスのスピンがないまたは単一姿勢のスピンがないまたはスピン・コンビネーションがないという場合、間違って行われたスピンがコンピュータにより自動的に削除される。 |
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フリースケーティングのスピンルール概要 |
スピンは要求された最少の回転数を回らなければならない:フライング・スピンや単一 姿勢のスピンは6回転、スピン・コンビネーションは10 回転しなければならない。回転数不足は、ジャッジにより採点に反映されなければならない。要求された最少回転数 は、(単一姿勢のスピンとフライング・スピンのファイナル・ワインドアップを除いて)スピ ンに入ったときからスピンの終了まで数えられる。スピン・コンビネーションと単一姿勢 のスピンにおいては、足換えは任意である。スピン・コンビネーションにおいては、異な る姿勢の数は自由である。 |