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スピンとは?
スピンとは、一定の場所で片方の足で回転すること(クロスフットスピンは両足)を言います。
どうやって回転しているかというと、スケート靴のブレードにある、インサイドエッジかアウトサイドエッジのどちらかに乗り、極度に小さな円を描いて回転しています。テレビ中継を見る際にも、足元に注目してもらえば、円が確認できます。また、氷には小さなスピンの跡(円形に氷が削れている)が残っているのも分かります。
スピンの3つの基本姿勢
フィギュアスケートのスピンには、3つの基本姿勢があります。基本姿勢は、キャメル、シット、アップライトの3つの姿勢です。
競技で使用されるスピンの種類
フィギュアスケートの競技会では、スピンにも基礎点(Base Value:ベースバリュー)が与えられます。基礎点を与えられるスピンの種類は、4種類に区別されています。キャメル、シット、アップライトの3つの基本姿勢と、アップライト・スピンのバリエーションであるレイバック姿勢のスピンの4種類になります。
略記号 | スピンの名称 | 基礎点(同じレベル4の場合) |
---|---|---|
USp | アップライト・スピン | 2.4点 |
SSp | シット・スピン | 2.5点 |
CSp | キャメル・スピン | 2.6点 |
LSp | レイバック・スピン | 2.7点 |
キャメル姿勢(C)
キャメル姿勢は、スピンの3つの基本姿勢のうちの一つです。キャメル姿勢とは「フリー・レッグは後方に位置し、その膝がヒップより高い姿勢」です。ただし、レイバック、ビールマンおよび類似のバリエーションは、アップライト・スピンとみなされます。
キャメル・フォワード(CF)
キャメル・フォワードは、キャメル姿勢の難しいバリエーションになります。キャメル・フォワード姿勢とは「肩のラインが氷面と平行になっているキャメル姿勢」です。キャッチフット(ブレードを手でつかむ)姿勢が一般的です。
キャメル・サイドウェイズ(CS)
キャメル・サイドウェイズは、キャメル姿勢の難しいバリエーションになります。キャメル・サイドウェイズ姿勢とは「肩のラインを氷面と垂直な位置にまでひねっているキャメル姿勢」です。フィギュアファンにはお馴染みの「ドーナツスピン」も、このキャメル・サイドウェイズ姿勢のスピンになります。
キャメル・アップワード(CU)
キャメル・アップワードは、キャメル姿勢の難しいバリエーションになります。キャメル・アップワード姿勢とは「肩のラインを氷面と垂直な位置を超えてひねっているキャメル姿勢」です。完全に仰向けになって回る姿勢のキャメル・アップワード姿勢のスピンは、別名を「バトンキャメル」と呼びます。
シット姿勢(S)
シット姿勢は、スピンの3つの基本姿勢のうちの一つです。シット姿勢とは「スケーティング・レッグの大腿部が少なくとも氷面に平行な姿勢」です。
シット・フォワード(SF)
シット・フォワードは、シット姿勢の難しいバリエーションになります。シット・フォワード姿勢とは「フリー・レッグが前方にあるシット姿勢」です。フリーレッグを真っ直ぐ前に伸ばしてつかみ、上半身はそれにかぶせるように前屈姿勢をとる「キャノンボール(大砲)スピン」と呼ばれるスピンも、このシット・フォワード姿勢になります。
シット・サイドウェイズ(SS)
シット・サイドウェイズは、シット姿勢の難しいバリエーションになります。シット・サイドウェイズ姿勢とは「フリー・レッグが側方にあるシット姿勢」です。「ブロークンレッグスピン」と呼ばれるスピンも、このシット・サイドウェイズ姿勢になります。
シット・ビハインド(SB)
シット・ビハインドは、シット姿勢の難しいバリエーションになります。シット・ビハインド姿勢とは「フリー・レッグが後方にあるシット姿勢」です。軸足の下に曲げたフリーレッグをはさみ込む姿勢は、「リザーブドパンケーキ」と呼ばれるシット・ビハインド姿勢になります。
アップライト姿勢(U)
アップライト姿勢は、スピンの3つの基本姿勢のうちの一つです。アップライト姿勢とは「キャメル姿勢を除き、スケーティング・レッグを伸ばして、または少し曲げて行うすべての姿勢」です。
アップライト・フォワード(UF)
アップライト・フォワードは、アップライト姿勢の難しいバリエーションになります。アップライト・フォワード姿勢とは「胴が前方に倒れているアップライト姿勢」です。足の形がAの字に似ていることから「A字スピン」と呼ばれる姿勢も、アップライト・フォワード姿勢の1つです。
アップライト・ストレートまたはサイドウェイズ(US)
アップライト・フォワードまたはサイドウェイズは、アップライト姿勢の難しいバリエーションになります。アップライト・フォワードまたはサイドウェイズ姿勢とは「胴が真っ直ぐであるまたは側方に傾いているアップライト姿勢」です。アルファベットのIの字に似ている「I字スピン」、体操のY字バランスのような「Y字スピン」も、このアップライト・フォワードまたはサイドウェイズは、アップライト姿勢になります。
アップライト・ビールマン(UB)
アップライト・ビールマンは、アップライト姿勢の難しいバリエーションになります。アップライト・ビールマン姿勢とは「スケーターのフリー・レッグが後方から頭より高く頭の天辺に向けて引き上げられ、スケーターの回転軸近くに位置している姿勢のアップライト姿勢」です。
レイバック姿勢(L)
レイバック姿勢は、スアップライト・スピンのバリエーションです。サイドウェイズ・リーニング・スピンも同様にスアップライト・スピンのバリエーションになります。
レイバック姿勢とは「頭部および両肩部が後ろに傾き背が弓形のアップライト姿勢で、フリー・レッグの位置は自由な姿勢」です。
サイドウェイズ・リーニング姿勢とは「頭部および両肩部が横に傾き上体が弓形のアップライト姿勢で、フリー・レッグの位置は自由な姿勢」です。
アップライト・レイバック(UL)
アップライト・レイバックは、レイバック姿勢の難しいバリエーションになります。アップライト・レイバック姿勢とは「アップライト姿勢のレイバック姿勢」です。
非基本姿勢
ここまでにあげた基本姿勢以外のすべての姿勢は、非基本姿勢と呼ばれるスピン姿勢になります。非基本姿勢のみのスピンは、基礎点(Base Value:ベースバリュー)が認められていないので得点になりません。スピン・コンビネーションの中で、非基本姿勢は行うことが可能となります。