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目次
技術点の採点は大きく2つの流れに
技術点(Technical Element Score)とは、基礎点(Base Value:ベースバリュー)とGOE(Grade of Execution:出来栄え点)の合計点になります。フィギュアスケートのプログラムの中で行われる各要素(エレメンツ)1つ1つに与えられます。
基礎点は技術審判が判定し、GOEは演技審判が判定します。つまり、基礎点とGOEの2つは別々の流れで判定・採点されているということです。それぞれの流れを解説していきます。
基礎点の採点の流れ(技術審判)
基礎点は、フィギュアスケートの競技会で行われた各要素(エレメンツ)1つ1つに与えられる、その内容・難易度を評価して付ける技の基礎になる得点です。この基礎点を判定するジャッジが技術審判です。
技術審判は、各要素(エレメンツ)が行われてからただちに、基礎点(回転数・レベル)を判定しています。演技終了後に採点が発表されるまで時間がかかる場合がありますが、それはこの基礎点判定の確認作業等に時間がかかっているということです。
技術審判には、テクニカルコントローラーとテクニカルスペシャリスト及びアシスタントテクニカルスペシャリストという、2種類の審判がいます。それぞれがどのような流れで基礎点の採点をするか説明します。
テクニカルコントローラー(1名)の採点の流れ
- 技術審判員の判断が食い違う場合には意見の取りまとめを行う。(技術審判員の意見が割れた場合は、テクニカルコントローラー、テクニカルスペシャリスト、アシスタントテクニカルスペシャリストの3名による多数決で決定する。)
- 入力された基礎点のデーターの中に、誤りがないか確認する。
- ジャンプの繰り返し違反(ザヤックルール)などの特殊な違反がないか確認する。
テクニカルスペシャリスト及びアシスタントテクニカルスペシャリスト(1~2名)の採点の流れ
- 各要素(エレメンツ)の種類・レベルの判定を行い、宣言する。
- ディダクションの判定を行う。
- 無効になる要素(エレメンツ)の判定・削除を行う。
GOEの採点の流れ(演技審判)
GOEの判定をする演技審判は、最大で9人までと決められています。基礎点の判定同様に、各要素(エレメンツ)が行われてからただちに判定しています。GOEを算出する手順を下記にまとめます。
- 9人のレフリーが、「+5から-5の11段階」のGOEを判定する。
- 9人のレフリーから事前に抽選で2人が除外。計7人になる。
- 7人のレフリーの中で、各要素(エレメンツ)ごとに最大値と最小値を除外。計5人になる。
- 5人のレフリーの点数を変換し、平均点を算出する。
- 最終的なGOE得点となる。