目次
18-19シーズン/男子シングル各ジャンプ要素のGOE最高得点
2018年シーズンの男子シングルジャンプの基礎点(Base Value:ベースバリュー)とGOEの関係を考察して見ました。どのジャンプの種類が一番高いGOEを獲得てきたのか、シーズンGOE最高得点の基礎点(Base Value:ベースバリュー)における割合を割り出しました。
ジャンプの種類 | 基礎点 | 成功数 | 成功人数 | シーズンGOE最高得点 | シーズンGOE最高得点の基礎点における割合 |
---|---|---|---|---|---|
2アクセル | 3.30 | 61回 | 36人 | 1.08 | 32.7% |
3トウループ | 4.20 | 26回 | 19人 | 1.20 | 28.6% |
3サルコウ | 4.30 | 46回 | 23人 | 1.35 | 31.4% |
3ループ | 4.90 | 102回 | 46人 | 1.75 | 35.7% |
3フリップ | 5.30 | 128回 | 44人 | 2.50 | 47.2% |
3ルッツ | 5.90 | 167回 | 48人 | 2.36 | 40.0% |
3アクセル | 8.00 | 235回 | 46人 | 3.66 | 45.8% |
4トウループ | 9.50 | 103回 | 28人 | 4.34 | 45.7% |
4サルコウ | 9.70 | 51回 | 15人 | 4.30 | 44.3% |
4ループ | 10.50 | 4回 | 2人 | 3.45 | 32.9% |
4フリップ | 11.00 | 13回 | 3人 | 4.40 | 40.0% |
4ルッツ | 11.50 | 17回 | 5人 | 4.76 | 41.4% |
2018年シーズンよりGOEの判定は「+3から-3の7段階」から「+5から-5の11段階」に変更され、獲得できるGOE得点の幅が広がりました。男子シングルでは、クワドラプル(4回転)ジャンプを成功した際に得られるGOE得点が、特に大きくなった印象を受けます。
また、ここでの成功数はGOE得点が0点以上となった場合と設定させていただきます。成功人数も同様に、GOE得点が0点以上となった選手を数えています。
成功数と成功人数から、4回転トウループと4回転サルコウはかなり多くの選手が成功している事が分かります。もはや4回転トウループと4回転サルコウの2種のクワドラプル(4回転)ジャンプの成功は、男子シングルのフィギュアスケート選手には必須になったとも言えます。
4回転トウループと4回転サルコウ、この2種のクワドラプル(4回転)ジャンプ以外に、3番目のクワドラプル(4回転)ジャンプをマスターすることこそが上位進出の鍵とも言えます。
4回転トウループと4回転サルコウの次に成功しているのが、一番難易度が高いとされ基礎点が高い4回転ルッツです。4回転ルッツは一番難易度が高い設定ですが、3番目のクワドラプル(4回転)ジャンプとしてチャレンジしやすい種類なのかもしれません。
反対に4回転ループにいたっては2人しか成功できていません。4回転ループはシーズンGOE最高得点の基礎点における割合も高くないことから、成功する事が難しくGOEが稼ぎづらいという事がいえます。
18-19シーズン/女子シングル各ジャンプ要素のGOE最高得点
2018年シーズンの女子シングルジャンプの基礎点(Base Value:ベースバリュー)とGOEの関係を考察して見ました。どのジャンプの種類が一番高いGOEを獲得てきたのか、シーズンGOE最高得点の基礎点(Base Value:ベースバリュー)における割合を割り出しました。
ジャンプの種類 | 基礎点 | 成功数 | 成功人数 | シーズンGOE最高得点 | シーズンGOE最高得点の基礎点における割合 |
---|---|---|---|---|---|
2アクセル | 3.30 | 339回 | 75人 | 1.62 | 49.1% |
3トウループ | 4.20 | 75回 | 37人 | 1.80 | 42.9% |
3サルコウ | 4.30 | 91回 | 42人 | 1.82 | 42.3% |
3ループ | 4.90 | 136回 | 47人 | 2.38 | 48.6% |
3フリップ | 5.30 | 158回 | 38人 | 2.20 | 41.5% |
3ルッツ | 5.90 | 170回 | 44人 | 2.44 | 41.4% |
3アクセル | 8.00 | 11回 | 2人 | 3.09 | 38.6% |
4サルコウ | 9.70 | 1回 | 1人 | 1.11 | 11.4% |
男子シングル同様に女子シングルも2018年シーズンよりGOEの判定は「+3から-3の7段階」から「+5から-5の11段階」に変更され、獲得できるGOE得点の幅が広がりました。また、トリプルアクセルやクワドラプル(4回転)ジャンプに成功する女子選手が出てきたのも、2018年シーズンの特徴とも言えます。
男子選手が一番GOEを稼いでいるトリプル(3回転)ジャンプは、トリプルフリップ(47.2%)でしたが、女子選手の場合はトリプルループ(48.6%)が一番稼げるジャンプとなりました。
ちなみにここでいう稼いでいるの定義とは、シーズンGOE最高得点の基礎点における割合が高いジャンプの種類という意味です。この結果が示す通り、女子選手がショートプログラムで選択するトリプル(3回転)ジャンプには、トリプルループが多く含まれています。
女子シングルの3回転+3回転コンビネーションジャンプ要素のGOE最高得点
3回転+3回転コンビネーションジャンプの種類 | 基礎点 | 成功数 | 成功人数 | シーズンGOE最高得点 | シーズンGOE最高得点の基礎点における割合 |
---|---|---|---|---|---|
3T+3T | 8.40 | 33回 | 18人 | 1.80 | 21.4% |
3S+3T | 8.50 | 7回 | 2人 | 1.78 | 20.9% |
3Lo+3T | 9.10 | 3回 | 2人 | 0.98 | 10.8% |
3S+3Lo | 9.20 | 1回 | 1人 | 1.82 | 19.8% |
3F+3T | 9.50 | 28回 | 5人 | 2.12 | 22.3% |
3Lo+3Lo | 9.80 | 1回 | 1人 | 0.35 | 3.6% |
3Lz+3T | 10.10 | 57回 | 23人 | 2.28 | 22.6% |
3F+3Lo | 10.20 | 1回 | 1人 | 1.51 | 14.8% |
3Lz+3Lo | 10.80 | 5回 | 1人 | 2.44 | 22.6% |
3Lz+3T+2T | 11.40 | 1回 | 1人 | 1.77 | 15.5% |
3A+3T | 12.20 | 2回 | 1人 | 2.86 | 23.4% |
クワドラプル(4回転)ジャンプやトリプルアクセルという男子選手が得点源とするジャンプ要素がない女子選手にとっては、3回転+3回転コンビネーションジャンプ要素が最も高得点を稼げる要素と言えます。
最も多くの女子選手が成功している3回転+3回転コンビネーションジャンプ要素が、3回転ルッツ+3回転トウループのコンビネーションジャンプです。ついで成功者が多い3回転フリップ+3回転トウループのコンビネーションジャンプが成功者5人と比べ、3回転ルッツ+3回転トウループの成功者は23人と4倍以上です。シーズンGOE最高得点の基礎点における割合が高いのも3回転ルッツ+3回転トウループ(22.6%)であることも含め、女子選手の最も大きな得点源となっているジャンプ要素は、3回転ルッツ+3回転トウループのコンビネーションジャンプといっても過言ではありません。
3回転+3回転コンビネーションジャンプ要素の、セカンドジャンプにも注目してみましょう。
ジャンプ・コンビネーションを行う際の2つ目や3つ目のジャンプは、着氷した足と同じ足で踏切る必要があります。反時計回りの回転でジャンプを行う場合は、全てのジャンプを右足で着氷します。よって、右足で踏切るトウループジャンプかループジャンプが、ジャンプ・コンビネーションの2つ目や3つ目に使用されるジャンプとなります。
3回転+3回転コンビネーションジャンプのセカンドジャンプの種類 | 基礎点 | 成功数 | 成功人数 | シーズンGOE最高得点 | シーズンGOE最高得点の基礎点における割合 |
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+3トウループ | 4.20 | 133回 | 52人 | 2.86 | 68.1% |
+3ループ | 4.90 | 8回 | 4人 | 2.44 | 49.8% |
3回転+3回転コンビネーションジャンプで、セカンドジャンプにトウループジャンプの使用がループジャンプの使用の16倍以上と圧倒的に多くなっています。セカンドジャンプにループジャンプを使ってGOEを獲得する事が、いかに難しいかを物語っています。