[ルール]ステップ要素/様々なターン・ステップの種類と違い

フィギュアスケートのカーブは8種類

フィギュアスケートでカーブする場合は、氷面に対してスケート靴の一方のエッジに体重をかけて(エッジに乗って)滑るとカーブを描いて進みます。この時、一方のエッジだけが氷面に接している状態になります。4種類のエッジと前後の進行方向、これによりフィギュアスケートのカーブは8種類となります。

4種類のエッジの種類

氷に接する部分(エッジ)の内側部分をインサイドエッジ、外側部分をアウトサイドエッジと言います。左右の足それぞれにインサイドエッジとアウトサイドエッジがあるので、4種類のエッジの種類が存在することになります。

インサイドエッジ

アウトサイドエッジ

前後の進行方向を踏まえた8種類のカーブ

今説明した4種類のエッジと、進む方向(前向き又は後ろ向き)をふまえて、下記のような8種類のエッジ表記があり、記号で表すことができます。

   左足(レフト) 右足(ライト)
アウトサイド
エッジ
インサイド
エッジ
インサイド
エッジ
アウトサイド
エッジ
前向き滑り
フォア 
レフト
フォアアウト
LFO
レフト
フォアイン
LFI
ライト
フォアイン
RFI
ライト
フォアアウト
RFO
後向き滑り
バック
レフト
バックアウト
LBO
レフト
バックイン
LBI
ライト
バックイン
RBI
ライト
バックアウト
RBO

カーブの方向は、下図のようになります。

カーブの方向

フィギュアスケートのターン

インサイドエッジアウトサイドエッジを様々な形で使用し、片足だけで方向転換を行うのがターンです。

フィギュアスケートの競技会で認められているターンの定義は、ツィズル、ブラケット、ループ、カウンター、ロッカー、スリーターンの6種類になります。

ツィズル

スピンのようにくるくると回転しながら進むターンがツィズルターンです。膝を曲げずにエッジの使い分けで回転しながら進みます。速い回転で停止することなく連続するところが特徴です。アイスダンスでは要素(エレメンツ)として行われます。

下記の図は、左足のアウトサイドエッジで前進するツィズルです。左足のインサイドエッジで前進するツィズルは、逆回りの円を描いていきます。

ツィズルターン

ブラケット

始めのカーブと逆の方向に回転し、ターンの後は同じ方向に乗るターンがブラケットターンです。ターンの軌道がブラケット「}」の記号に似ているので、ブラケットターンと言います。

下記の図は、左足で前進する場合のブラケットターンの軌道です。このように、前進から始めれば、ターン後は後進になります。エッジもアウトサイドエッジからインサイドエッジへ変更します。

ブラケットターン

ループ

円を描くようにカーブス中にさらに小さな円を描くターンがループターンです。描かれる軌道が通信事業会社のNTTのマークに似ていることから、NTTマークとも呼ばれます。

下記の図は、左足のアウトサイドエッジで前進するループです。ツィズルに似ていますが、ツィズルはくるくると素早く円を描きながら進みますが、ループは少しスピードを抑えて1つの円を描きます。ターンの直前のエッジと直後のエッジが前後・エッジのインアウト両方同じになるのも特徴です。

ループターン

カウンター

始めのカーブと逆の方向に回転し、ターン前後でエッジの軌跡が逆になるターンがカウンターターンです。ターンの軌道はS字のようになります。

下記の図は、左足で前進する場合のカウンターターンの軌道です。このように、左足のアウトサイドエッジで前進から始めれると、ターン後は後進で同じエッジのアウトサイドエッジになります。ターンの後は進行方向が反対になります。

カウンターターン

ロッカー

始めのカーブと同じ方向に回転し、ターンの前後でエッジの軌跡が逆になるターンがロッカーターンです。カウンターと描くカーブは同じですが、ターンの方向は反時計回りで違います。

下記の図は、左足で前進する場合のロッカーターンの軌道です。このように、左足のアウトサイドエッジで前進から始めれると、ターン後は後進で同じエッジのアウトサイドエッジになります。ターンの後は進行方向が反対になる点も、カウンターと同じです。

ロッカーターン

スリーターン

進行方向のチェンジと同時にエッジのチェンジも行う最も基本的なターンがスリーターンです。数字の3のような軌跡を描くので、スリーターンと呼ばれています。

下記の図は、左足のアウトサイドエッジで前進するスリーターンの軌道です。ターンと同時にアウトサイドエッジからインサイドエッジにエッジを変え、後方に進みます。カーブで曲がって行く方向と同じ回転方向に体を回ますので、フィギュアスケートのターンの基本とされています。

スリーターン

フィギュアスケートのステップ

左右の足を踏み替えながら進んだり方向転換を行うのがステップです。

フィギュアスケートの競技会で認められているステップの定義は、トウステップ、シャッセ、モホーク、チョクトウ、エッジの変更、クロスロールの6種類になります。

トウステップ

スケート靴のトウを突くステップがトウステップです。トウをツンツンと突くのでトウステップと言います。バレエのトウシューズの動きに似ています。

シャッセ

左右の足を踏み変えるように見えるステップがシャッセステップです。滑っていた足と同じカーブに、反対の足置いて同じカーブを踏みます。

下記の図は、左足のインサイドエッジで前進から始めるシャッセステップです。左右の足を踏み変える際に前後の方向転換がないため、インサイドエッジで始めるとアウトサイドエッジに踏み変えることになります。

シャッセステップ

モホーク

左右の足を踏み変える祭に、前後の方向転換をしながら同じエッジに乗るのがモホークステップです。滑っていた足と同じカーブに、反対の足置いて同じカーブを踏むところは、シャッセと同じですが、左右の足の踏み替えの際に方向転換を行うところがシャッセとの違いです。

下記の図は、左足のインサイドエッジで前進から始めるモホークステップです。左右の足を踏み変える際に前後の方向転換が行われるので、右足も左足と同じインサイドエッジになります。ステップの軌道はシャッセと同じような軌道になります。

モホークステップ

チョクトウ

左右の足を踏み変える祭に、前後の方向転換をしながら異なるカーブに乗る(異なるエッジに乗る)のがチョクトウステップです。アウトサイドエッジからインサイドエッジ、またはその逆に踏み替えます。

下記の図は、左足のインサイドエッジで前進から始めるチョクトウステップです。左右の足を踏み変える際に前後の方向転換が行われ、同時にアウトサイドエッジになります。ステップの軌道は左右の足で異なる円になります。

チョクトウステップ

エッジの変更

左右どちらかの足で滑る際にアウトサイドエッジからインサイドエッジ、またはその反対をエッジの変更と言います。チェンジエッジとも言います。

下記の図は、左足で前進しながらアウトサイドエッジからインサイドエッジにエッジを変更する軌道です。くねくねと体をくねらせるような動きになります。

エッジの変更

クロスロール

進行方向に次の足をクロスさせながら出し、反対のカーブに乗るステップがクロスロールです。クロスロールはアウトサイドエッジからアウトサイドエッジに踏み変えるステップになります。

下記の図は、左足のアウトサイドエッジから始まるクロスロールです。左足で滑る際に右足を前にクロスさせるように出し、右足に踏み替えたら左足を前にクロスさせるように出します。

クロスロール